J.J.サクライ
サクライ高校生が1.6で挫折したみたいなこと言ってたきがするけど,こりゃ確かにHamiltonian力学のイミッジとか電磁気での平均化の言葉遣いとかに慣れてないと難しいわ
— 飯田 (@3tskida) December 4, 2016
とにかくけったいな計算ばかりが仕事になっているような感じで,その解釈にしたって量子論での視線を持ち合わせていないからか「そうなのか?」という心地.流石に古典的極限については力学の教科書に度々紹介されていることだから\(\hbar→0\)の極限を与えればすぐ納得がいくし,それ以外のアナロジーにしたって同様.しかし他方で波動力学の語彙が出てくるとショートしてしまいがちで理解できている箇所にはポコポコ穴が空いている.
よしんば「量子力学」の入門書としてのJ.J.サクライと言うことができたとしても,波動の言葉を知らない人間を受け入れるようなよほどのお人好しではないらしい.いますぐ書いてある内容を要約してレジュメにまとめろと言われたら,アホみたいに古典像との類同性にくどくて,波動での語彙を通しての解釈やヒルベルト空間での数学には無頓着という有様になるように思う.例えば,Hamilton-Jacobiから横道に逸れてHamiltonian力学の小ネタにやけに詳しくWKB近似の説明とかがあまりにもガバガバになってくれよう.また,真っ当に数学をやっている人間からしてみれば,スペクトル分解を知らずにDiracによるブラ・ケット記法を扱っているというのは顔面蒼白必至のことだろう.少なくとも読んでてためになってはいるだろうということとしては,学校の物理数学の授業でてんで理解のできていなかった関数の完全性の対応とかを自分の言葉でストレスなく納得することを得たことくらいかな.年が明けるまで*1には「JJサクライの章立てに則って」後期量子論の初歩的な議論を摂動計算まで必要最低限に概説する感じのテキストをsubmitしておきたい.
量子アニーリングの話を聞いたりして以降,なんとなく電磁気以外の物理をやる気が高い,高まっている*2.量子統計からの物性ちょっと齧ったら満足して物理の勉強全てやめてしまいそう.
中国茶,美味です.一年ぶりくらいに淹れてみたけど,こいつの舌を燻る渋みに対する口腔に纏う甘い香りだけにはずっと勝てない気がする.